「疾風の如く」という表現の意味、他の言い回し、使用例、類似の言葉についてのわかりやすく解説

時折、小説や漫画で目にする「疾風の如く」というフレーズ。この少し古風でかっこいい表現は、どのような意味を持っているのでしょうか?

「疾風の如く」の意味は何か、類似表現や別の言い方は存在するのか、この言葉を使った例文やその使い方について知りたいですよね。

この記事では、「疾風の如く」という表現の意味を分かりやすく説明しています。さらに、疾風の如くに関連する類語や別の言い方、具体的な使い方を例文を交えて紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

「疾風の如く」という言葉の正しい読み方わかりいますか?

まず、「疾風の如く」の正しい読み方についてご紹介しましょう。

この表現には2つの読み方が存在します。

  1. はやてのごとく
  2. しっぷうのごとく

どちらの読み方も正確で、使い方によってどちらを選ぶかは自由です。ただし、慣用句としては「はやてのごとく」と読むことが一般的です。

「疾風の如く」という言葉の意味は何ですか?

「疾風」と「如く」、これらの言葉それぞれの意味は何ですか?

「疾風の如く」という表現を理解するためには、「疾風」と「如く」を分けて、それぞれの意味を考えてみると良いでしょう。

【疾風(しっぷう・はやて)】について:

  1. 非常に速く強く吹く風。
  2. 風速が毎秒8.0~10.7メートルで、風力階級5に分類される風。
  3. 急に強く吹き始める風。多くは寒冷前線に伴って発生し、陣風とも呼ばれる。
  4. 古語で、疫痢(えきり)のこと。その速さと致命性からこの名がついた。

【如く(ごとく)】についての意味を見てみましょう:

  1. 助動詞「ごとし」の連用形として、活用語の連体形や体言、助詞「の」「が」に続いて、比喩(ひゆ)や例示を表す表現。
  2. 「…のように」や「…の通り」という意味で使われる。「彼の言うごとく市場は安定した」「脱兎のごとく逃げ帰った」「10年前の出来事が今さらのごとく思い出される」といった具合に使用される。

[補足] 現代では、文章語として、またはより改まった表現として用いられることが多いです。

要するに、以下のように理解することができます。

・【疾風】…非常に速い風

・【如く】…~~のように、または~~のような

「疾風の如く」という表現の意味は何ですか?

先に説明した「疾風」と「如く」の意味を組み合わせると、「疾風の如く」という表現は次のような意味になります:

  1. 勢いがあり、強い風のように迅速に動く様子。
  2. 疾風のように非常に速いスピードで行動し、強い勢いを持つ様子。

この表現は、一般的に「人や動物が疾風のように素早く動く姿」を比喩的に表す言葉として使われます。

具体的なイメージとしては、人気アニメ「鬼滅の刃(きめつのやいば)」のキャラクター我妻善逸の「雷の呼吸」が迅速で力強い動きを示す「疾風の如く」というイメージでしょうか⁉

「疾風の如く」という表現を英語でどう書くのですか?

「疾風の如く」というフレーズを英語で表現すると、以下のような言い回しになります:

  1. like a gale(ゲール、すなわち強風のように)
  2. like a strong wind(強い風のように)
  3. like a fresh breeze(新鮮な風、すなわち疾風のように)

これらの表現を使った例文は次のようになります:

  1. He fled on the wings of like the strong wind.(彼は強い風のように素早く逃げた)
  2. To come flying on the wings of the wind(風の翼に乗って素早く現れる)

英語で表現すると、なかなか洗練されていてカッコいい感じがしますね。

「疾風の如く」という表現の使い方と例文

  1. リレーでバトンを受けた彼は、疾風の如く先頭の選手を追い抜いた。
  2. 疾風の如く現れて私を救い、名前も告げずに去ったあの人は一体誰だったのだろう。
  3. 彼女は疾風の如く仕事を片付け、定時に正確にオフィスを後にした。
  4. 一瞬の時間も無駄にせず、疾風の如く階段を駆け上がった。
  5. 友人が坂の上から自転車に乗って、疾風の如く下ってきた。

これらの例文はすべて、「勢いのある強風のように迅速な動き」を描写しています。

「疾風の如く」という表現の類義語や別の言い方は何ですか?

「疾風の如く」と表現と似たような言葉には、以下のようなものがあります。

  1. 疾きこと風の如し
  2. 突風の如く、紫電の如く
  3. 電光石火、疾風迅雷
  4. 疾風怒濤
  5. 紫電一閃

それぞれの言葉の詳しい意味を掘り下げて見ていきましょう。

疾きこと風の如し(はやきことかぜのごとし)

「疾きこと風の如し」は、歴史上の有名な戦国大名、武田信玄の軍旗に記された言葉として知られています。この表現は「風林火山」の一部で、完全なフレーズは「風林火山=疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」となります。

しかし、この「風林火山」の原典は、中国の春秋時代に孫武によって記された兵法書「孫子」の「軍争篇」に遡ります。孫子には次のように書かれています: 「其の疾きことは風の如く、其の徐なることは林の如く、侵掠することは火の如く、動かざることは山の如く」

これは、戦闘では「風のように素早く動き、林のように静かに待ち、火のように激しく攻め、山のように動じない」ことの重要性を説いています。風林火山は「状況に応じて適切に対応する必要がある」という意味で用いられ、冷静さと臨機応変な対応を象徴しています。

「疾きこと風の如し」は、文字通り「風のように迅速に動く」という意味を持ちます。

突風の如く(とっぷうのごとく)」、「紫電の如く(しでんのごとく)

「突風の如く」と「紫電の如く」も、「疾風の如く」と類似した意味を持っています。

・突風の如く…予期せぬ瞬間に強烈な勢いで現れる風のように ・紫電の如く…瞬く間に通り過ぎる紫色の稲光のように、または鋭い刃物の閃光のように

電光石火、疾風迅雷・疾風怒濤・紫電一閃

「疾風の如く」という表現に似た意味を持つ四字熟語は数多く存在します。

【電光石化(でんこうせっか)】

稲妻の閃光や、石を打ち合わせた際に発生する火花。これらを例にとり、非常に迅速な動きや、極めて短い時間を表す表現。

【疾風迅雷(しっぷうじんらい)】

疾風と強い雷。これを比喩として、風や雷のように非常に速く、激しいさまを表す表現。

【疾風怒濤(しっぷうどとう)】

強風が荒れ狂い、巨大な波が激しく打ち寄せる様。迅速な風と強烈な波の動きを指す。比喩的には、時代が大きな変動を遂げる様子を表します。

【紫電一閃(しでんいっせん)】

紫色の瞬間的な閃光や、ほんの一瞬輝く光。これを例えとして、非常に短い時間や、急激に事態が変わる様子を表す表現。

以上、「疾風の如く」と同じような意味を持つ類語は数多く存在します。

「疾風の如く」という表現の意味についてのまとめ

以上が「疾風の如く(はやてのごとく)」の意味についての説明です。

この表現は、激しい風が素早く吹き抜けるような動きを比喩的に表す言葉です。例えば、「疾風の如く走り抜ける」(風のように素早く走り抜ける)という形で使用します。

これを知っていると、日常の会話や文章で効果的に使うことができますので、機会があればぜひ使ってみてください。

タイトルとURLをコピーしました