「不要」と「不用」の違いをその意味と使い分け方の視点からわかりやすく解説!

「不要」と「不用」。

両方とも「ふよう」と読みますし、必要性がないことを表す意味が似ている日本語です。

しかし、「不要」と「不用」の選び方には何を考慮すればいいのでしょうか。

今回は、「不要」と「不用」の各々の意味と、それぞれの具体的な使用例を紹介して、間違った使い方をしないように、どのように使い分ければよいかわかりやすく解説していきます。さらに、似ている言葉「無用」の意味や使い方も併せて解説します。

「不用」とは

「不用」という言葉には、「もう必要ない・使用しない・価値がない」といった意味が含まれます。

この意味合いで「不用」を使う際には、「無価値」「役立たず」といった言葉に置き換えることができます。

さらに、「不用」には「〇〇する必要がない」というニュアンスもあります。この文脈で使う際には、「無用」という言葉が適切です。以下は「不用」を使った例文です。

  • 子どもが成長したため、もう不用になったベビーカーを妹の夫婦に譲った。
  • 外は非常に寒いので、見送りは不用です。

「不要」とは

「不要」という表現は、「必要ではない・なくても問題ない」という意味合いを持ちます。

この言葉を別の言葉で表現すると、「必要なし・余分」となりますが、文脈に応じて「無用」という言葉を用いることも適切です。以下は「不要」を使った例文です。

  • 為替の影響で物価が上昇しているため、不要な支出は控えた方がよい。
  • 気温が上昇しているので、厚手のコートは不要だ。

「不要」と「不用」の違い

「不要」と「不用」の区別は、「必要がないか、もう使われないか」という点

「不要」と「不用」という表現は、どちらも「ふよう」と読まれますが、その用途には差異があります。「不要」は、「必要ではない(必要性がない)」という状況を指し、「不用」は、「もう使用しない(使用済み)」という状況を示します。

例えば、「余計な支出を減らす」という文脈で「不要な支出を削減する」や、「もう使わない古い家具を片付ける」という意味で「不用な家具を処分する」のように使われます。さらに、「もう着ないがまだ状態が良い服」は「不要な衣類」、一方で「着古して使えなくなった服」は「不用な衣類」と分類されます。

メールの返信が不要であることを伝える際、「返信は不用です」とではなく、「返信は不要です」と記載するのは、「返信する必要がない」という意味合いからです。

「不用」には「行う必要がない(無用)」という意味も

また、「心配する必要はない」と表現する際には、「ご心配は不用です」という表現が使われます。この際、同じ意味で「無用」という字を用いることもあり、「ご心配は無用です」と書くことも可能です。

ビジネスや目上の人に対して、より穏やかに伝えるために「無用です/ご無用です」という表現を使うことがあります。

ただし、「無用」には、「役立たない」という意味もあり、「無用の長物」という表現で使用される場合の「無用」は、「不用」とは異なる意味を持ちます。

使い分けは「必要か不必要か」「使うか使わないか」

「不要」と「不用」の選択は、「必要か不必要か」「使用するかしないか」という基準で行うことができます。

例えば、「領収書は不要です」と言う場合は、「その手続きに領収書の提出は必要ない」という意味ですが、「領収書は不用です」と言う場合は、「領収書がいらない(使わない)」という意味になります。

ただし、時には「不用」が「不要」と同じ意味で用いられることもあります。そのため、どちらを使うか迷った際には、「不要」を選ぶのが無難です。

「不要」と「不用」の具体的な使い方

返信が必要ないときは「返信不要」

メールで返信が不要なことを伝える際、「不要」という言葉を使います。例えば、「ご返信は不要でございます」や「返信はご不要です」といった表現は、適切な敬語として使われます。

ただし、ビジネスの場では、直接的な否定表現を避けるという慣習があります。そのため、「ご返信には及びません」「ご返信のお心遣いは不要です」といったように、より丁寧で遠回しな言い方をすることも可能です。これは、相手に対する敬意を示しつつ、必要な情報を伝えるための方法です。

「不要不急」という表現は

「現時点で特に必要ではない」という意味合いで、「重要でなく、急ぐ必要もない」という状況を示す「不要不急(ふようふきゅう)」という表現があります。この言葉は「不要不急の外出を避ける」などの文脈で使用されます。

「必要かどうか」という問いに使う「要不要」

「要不要(ようふよう)」は「必要か、そうでないか」を判断する際に使います。例えば、「物資支援の要不要を判断する」といった文脈で使われます。

「使わない・必要がない」というニュアンスを持つ「不用」という言葉の使用方法

「不用」という言葉は、既に持っているものがもはや必要でない、使用しなくなったという状況で使われます。例としては、「もう不用になった服を片付ける」「不用な人員を調整する」などがあります。

まとめ

「不要」は「必要でないもの」を、一方「不用」は「使用しないもの」として区別して使用することが可能です。

例えば、メールで返信が不要であることを伝える際には「返信不要」と表現します。

「不用」は特に「不用品」という形で、もう使用されなくなったアイテムを指す際に用いられます。これらのアイテムの回収は「不用品回収」と呼ばれます。

ただし、「必要ではない」という意味で「不用」が「不要」と同じように使われることもあります。

これは辞書で同じ意味として記載されていることもあるため、どちらを使うべきか迷った際には、「不要」の方が適切かもしれません。

 

含まれ。

また、「心配する必要はない」と表現する際には、「ご心配は不用です」という表現が使われます。この際、同じ意味で「無用」という字を用いることもあり、「ご心配は無用です」と書くことも可能です。

ビジネスや目上の人に対して、より穏やかに伝えるために「無用です/ご無用です」という表現を使うことがあります。

ただし、「無用」には、「役立たない」という意味もあり、「無用の長物」という表現で使用される場合の「無用」は、「不用」とは異なる意味を持ちます。

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