「合いの手を打つ」と「合いの手を入れる」正しいのは?違いは?

「合いの手を打つ」と「合いの手を入れる」は、日本語で混同しやすい表現です。

この二つのフレーズがどちらも正しいように思われるかもしれませんが、実はそうではありません。さて、どちらが適切な表現か、お分かりになりますか?

日本語として正確な言い回しに迷った方には、このページでの使い分けの説明が参考になるでしょう。

今回は、似ているようでも異なる意味を持つ「合いの手を打つ」と「合いの手を入れる」の違いをわかりやすく説明します。

「合いの手を打つ」とは

「合いの手を打つ」の意味

「合いの手を打つ」という表現は、実は「合いの手を入れる」という正しい言葉の誤用です。この「合いの手を打つ」というフレーズは、実際には存在しない表現で、誤って使われることが多いです。読みが似ているために「合いの手を入れる」と混同されがちですが、これは誤った使用ですので注意が必要です。正しい日本語表現として「合いの手を入れる」のみを使うようにしましょう。

間違えやすいのは何故か

「合いの手を打つ」と「合いの手を入れる」の混同の原因は、似た表現である「相槌を打つ」との混合にあると考えられます。また、「あいのて」と「あいづち」の発音の類似性も、混同を引き起こす要因となっています。

「合いの手を入れる」と「相槌を打つ」はどちらも会話の中で使われる表現ですが、それぞれの用途に違いがあります。「合いの手を入れる」は、会話を積極的に盛り上げる際に使われる表現であり、「相槌を打つ」は、相手の話に対してより受動的に同意を示す際に用いられます。

さらに、誤用されがちな表現として、「合いの手を打つ」が間違いであるのと同様に、「相槌を入れる」というフレーズも正しくない日本語であると認識しておくことが重要です。正確な日本語を使うためには、これらの表現の正しい用法と違いを理解し、適切な場面で使用することが求められます。

「合いの手を入れる」とは

「合いの手を入れる」の意味

「合いの手を入れる」という表現は、他者の行動や発言に合わせて、話や動きに勢いを加えるような言葉や行動を挟み込むことを指しています。

「合いの手」の語源

「合いの手を入れる」という表現の「合いの手」は、もともとは歌の節々で三味線や他の伴奏楽器が演奏する部分を指していました。

この用語は邦楽における専門用語で、ここでいう「あい」とは「間」を表しているのです。「て」は旋律や楽曲を示し、この言葉は歌や舞の間に挿入される楽器演奏を指すようになりました。

時間が経つにつれ、「合いの手」の意味は変化し、会話の中で話を活性化させるために発言を差し挟む行為にも使われるようになりました。この変遷が、「合いの手を入れる」という表現の語源となっています。

「合いの手を入れる」の使い方

「合いの手を入れる」の使用例として分かりやすいものは、「話を聞きながら合いの手を入れる」「カラオケでの合いの手による盛り上げ」「曲に合わせて合いの手を入れる」「歌っている最中に猫がニャーと合いの手を入れる」などが挙げられます。

この表現は、音楽やダンスにおいて手拍子や掛け声を加える行為や、対話中に会話を活性化するために追加する言葉などを指す言い回しです。

「合いの手を入れる」と似た言葉には、「励ましの言葉を掛ける」ことを示す「エールを送る」、積極的に応援する意味の「声援を送る」、リズムに合わせて手を叩く行為を表す「手拍子を取る」などが挙げられます。

まとめ

「合いの手を打つ」という表現は「合いの手を入れる」という正しい言葉を誤りです。辞書にも掲載されていません。「合いの手を入れる」の誤用として使っていることが多いです。

もし「合いの手を打つ」と「合いの手を入れる」のどちらを使用すべきか迷った際には、誤った日本語である「合いの手を打つ」ではなく、正確な日本語表現である「合いの手を入れる」を選択しましょう。

「合いの手」とは元来、邦楽用語で、歌と歌をつなぐために楽器で入れる「手(旋律)」のこと。洋楽でいうと間奏のあたります。
現在では広く使われるようになり、「カラオケなどの歌や踊り、会話等のリズムや調子を合わせて手拍子や言葉を入れる」という意味になります。

手拍子だけなら「打つ」でよさようですが、あくまでも「間に入れる」ものです。
相手の話に合わせて受け答えをする「相槌を打つ」と混同しないようにしましょう。

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