日本人の私達は日々の会話では日本語が主ですが、時には漢字選びに頭を悩ませることがあります。
似た意味の言葉で、読みが同じでも異なる漢字を使う「同訓異字」は、日々のさまざまなシーンで遭遇します。
例えば、「部品が痛んできたから新しいものにしたい」と考えたとき、
「新しい部品に○えたい」の、この言葉の○にはどの漢字が適切でしょうか?
「替」を使うのか、「換」を使うのか?それとも「変」を使うのか?「代」を使うのか?
同じ発音でも、携帯に文字を打ち込む際には、どちらの漢字を使うべきか迷うことがありますね。
聞こえるときは同じに聞こえても、文字を選ぶ時には迷いが生じることはよくあります。
こうした微妙な日本語の差異を完全に把握している人は多くありませんし、基本的な日本語の疑問を他人に尋ねるのは少し気が引けることかもしれません。
そこで今回は、「変える」「替える」「換える」「代える」の各漢字がどのように異なるのか、その違いを明らかにしてそれぞれの使い分けについても分かりやすく説明していきます。
「替える」の意味と使い方の例
「替える」という動詞は、「着替える」「入れ替わる」「替え歌」といった、「使用済みのものを新品に取り替える行為」を表します。
使用していた物品を新しい同じタイプのものに更新する際に用いられる用語で、人間関係や物体など、幅広い対象に適用可能です。
例えば、「アクアリウムの水を新しい水に替える」という場合、
「替える」は古い水を新鮮な水へと更新する行為を意味します。
「替」の文字が含まれる成句には、「振替」「両替」「交替」などがあり、これらはすべて現在のものを新しい同類のものへと変更することを示しています。
例を挙げれば、「予定表を更新する」という場合、
既存のスケジュールを新たなものにするために「替」が使われます。
「新しいパソコンに更新する」を表現する際にも「替える」が使用されます。
さらに、「切れた電球を新品に替える」という文脈でも、
機能不全の電球を新しいものにするために「替える」が適切です。
その他、「次の試合のためにチームの構成を更新する」場合にも、
現行のメンバーから新しいメンバーへの交替を指すのに「替える」が用いられます。
「切り替える」「並べ替える」「植え替える」「立て替える」「日替わり」「席替え」「着替え」など、
さまざまな状況で「替える」という表現が活用されます。
「建て替える」は、「構造物を取り壊し、新しいものを建設する」というプロセスを指します。
使用例 花瓶の水は新鮮なものに毎日替えた方が良い。
建て替えられた校舎は内装が非常にきれいです。
そろそろ今のピッチャーを替えた方が良いかもしれない。
「代える」の意味と使い方の例
「代える」とは、何かを別のものに置き換えて、元のものと同じ機能を果たさせる行為です。例えば、「私が上司に代わって電話応対をする。」という場合、上司が電話に出られない状況で、私が上司の職務を果たすことを意味します。
「代」と組み合わさった熟語には、代理、代行、代弁、交代などがあり、これらは全て元々の担当者の代わりに別の人がその任務を果たすことを指します。例として、代行は本来その人がすべきことを他の人がすることを言います。
「代える」の具体的な使用例には以下のようなものがあります。 ・書面にて挨拶に代えさせて頂きます。 →直接会っての挨拶が不可能な場合に、手紙による挨拶でその役割を果たす場合に用いられます。
・小麦粉の代わりに米粉を使用してパンを焼く。 →小麦粉が手に入らない場合に、米粉を使用して同じようにパンを作る際に用いられます。
・雨が降ってきたので、傘の代わりにタオルをかぶる →タオルは本来は雨をしのぐものではありませんが、 傘がないのでタオルにその役割をさせることを表します。
使用例
風邪で休んだ責任者に代わって、私が会議への出席した。
試合の流れが不利なため、バッターの代えた。(代打)
彼は大の食通で、度々お代わりする。
夕飯にごはんをお代わりしたから、お腹いっぱいだ。
「換える」の意味と使い方の例
「換える」とは、一つのアイテムを手放し、その価値に見合う別のアイテムを取得することを意味します。
例として、「宝石を現金に交換する」という表現があります。これは宝石を提供し、それに等しい金額の現金を得る行為です。
「換」を含む表現としては、換金、交換、換気などがあります。これらはいずれも、何かを提供し、それに相当する別のものを受け取ることを示します。例えば、空気の入れ替えは、汚れた空気を外に出し、新鮮な空気を室内に取り入れる行為を指します。
・海外旅行のため、日本円を米ドルに換える。 →手持ちの円を提供し、相当する額のドルを受け取る行為のことなので、「換える」を使います。。
・複雑な用語は、より単純な表現に置き換えると理解しやすい。 →理解しにくい用語をもっと理解しやすい言葉で表すことなの で、「換える」を使います。
「乗り換える」「書き換える」「置き換える」「取り換える」「言い換える」などと使用することも可能です。
使用例:
不要になった書籍や衣類をリサイクル販売すると、現金に換えられる。
次の停車駅で下車し、異なる列車への乗り換えるが必要です。
掃除をする時には、すべての窓を開放し、室内の空気を新鮮なものに入れ換えることが望ましい。
「変える」の意味と使い方の例
「変える」は二通りの解釈があります。
最初の意味は、「何かを既存の状態から異なる新しい状態に変化させる行為」です。
これは、物や行動を元の形や様式から別の形に改めることを示します。 たとえば、「髪型を新しく変える」とは、以前のスタイルから変更することを意味します。
二番目の意味は、「活動が行われる時間や場所を、異なる時刻や場所に移動させること」です。
これは、場所や時間を現在のものから他のものに調整することを言います。
例えば、「営業時間を変える」は、従来の開店時間を新しい時刻に設定することを指します。
「変える」は、「移り変わる」「変更する」「変化する」などの言葉で置き換え可能です。
使用例:
選手の優れたパフォーマンスが、不利な流れを変えてくれた。
会話が行き詰まったら、新しい話題に変えるのも効果的だ。
感染症拡散の予防のため、一時的閉店時間の変えることになった。
彼女たちはどうやら飲む場所を変えて、再び楽しんでいるようだ。
まとめ
「替わる」「代わる」「換わる」「変わる」の各用語の使い分けは、関連する熟語を参照すると理解しやすくなります。
「変わる」は、例えば「色が変わる」や「形が変わる」のように、物の状態や特徴が前と異なるものになることを指します。また、場所や方向が変化することや、時間的な変化を示す際にも用いられます。「変わる」に関連する熟語には「変化」「変更」「変身」などがあります。
「代わる」は、「ピッチャーが交代する」や「石油の代替燃料」のように、ある物や人の位置や機能が別のものに置き換わることを示します。「代わる」に関連する熟語には「代理」「交代」などがあります。
「替わる」は、「服を着替える」や「替え歌」のように、既存のものを新しいもので更新する際に使います。「替わる」に関連する熟語には「交替」「替玉」などがあります。
「換わる」は、「古本を現金に換える」や「言葉を別の表現で言い換える」のように、同等の価値を持つもの同士の置き換えを表します。「換わる」に関連する熟語には「交換」「換金」などがあります。
ただし、「替わる」と「換わる」の間の厳密な区分はしばしば曖昧であり、「両替」は「替」を使い、通常「組み替え」と書かれるものが「遺伝子組み換え」では「換」を使うなど例外も多いです。どちらを使うべきか不明な場合は、一般的な「替わる」を選択するか、ひらがなで書くとよいでしょう。