「こんにちは」と「こんにちわ」の意味と使い方の違いは?

わたしたちが会話で自然と使う挨拶には、実際に書くとなると、どの表記を用いるべきか疑問を感じることがあります。「こんにちは」と「こんにちわ」の使い分けについての混乱は、意外と多くの人が経験するものです。

今回は、これらの表現の正しい使い方、元々の意味についてわかりやすく解説します。加えて、「こんばんは」や「おはよう」「さようなら」といった他の挨拶に関しても説明しています。日々のやり取りで役立つ情報です。

「こんにちは」と「こんにちわ」どちらが正しい? その違いは?

正しい挨拶の表記については、「こんにちは」が適切です。

その根拠は、挨拶の由来を探ることで明らかになります。

「こんにちは」という表現は、もともと日中に他人と出会った際に交わされる「今日はご機嫌いかがですか?」や「今日は寒いですね」といったフレーズの後半部分を省略した形です。これにより、「今日は」という言葉が挨拶として定着しました。

「今日」という言葉は日付を指し、「は」は文脈上、助詞として機能します。

日本の公式な仮名遣い規則によると、1986年の改定で、助詞「は」を用いた「こんにちは」が例として挙げられています。話し言葉では「わ」と発音されることから混同が生じがちですが、書き言葉では「は」を使うのが適切です。

しかし、この明確な規則が定められたのは比較的近年であるため、「こんにちわ」と記憶している人も存在します。時間が経つにつれて、「こんにちわ」が受け入れられる可能性もあります。

例外として、「今は限り」を省略した言葉「いまわの際」のように、特定の表現では「は」を「わ」と書くことが認められているケースもある点には注意が必要です。

「こんにちは」を使う時間

“こんにちは”は昼間に一般的に交わされる挨拶ですが、その使用に厳密な時間帯は定められていません。多くの人は、朝の挨拶である”おはよう”を朝9時から10時ごろまで、夕方の挨拶”こんばんは”を午後5時から6時以降に用いると感じています。

しかし、この慣習は地域や個人の生活習慣、季節による日の長さによっても変わり得るため、一概には言えません。それでも、広く受け入れられている慣行としては、”こんにちは”は大体午前10時から午後5時の間に使われることが多いです。

「こんにちは」はなぜ「こんにちわ」と間違えられる?

理解していれば、「こんにちは」が適切な表記であることは明らかですが、一部で「こんにちわ」と誤記されることがあります。

その一因は、口頭での挨拶では「は」の音が「わ」として発音されることが多いためです。聞こえてくる音をそのまま文字にすると、「こんにちわ」となるため、この表記を覚えてしまう人もいます。

子供の頃に「は」としての「わ」をまだ区別できずに使っていた経験を持つ人もいるでしょう。また、若者文化の中で特に学生たちが通信手段で「は」を発音通りに「わ」と書くスタイルが流行したこともあります。さらに、「こんにちは」を短縮して「ちわー」や「ちわっす」という表現が登場したことも影響しています。

こうして、時とともに非公式の表記が一般化し、誤った形でも使われるようになったのかもしれません。

「こんにちは」を「こんにちわ」と誤表記したらどうなる?

誤って「こんにちわ」と書いてしまうと、どのような影響があるでしょうか。

この誤記が失礼と捉えられることもあるかもしれません。確かに、正式な文脈では「こんにちは」が正確な表記とされていますが、この決まりは比較的新しいものです。そのため、「こんにちわ」と書いた相手を指摘するほどの重要な違いではないとも言えます。

しかし、細かい点を気にする人もいるため、「こんにちわ」という表記が不適切な印象を与え、「失礼ではないか」「日本語の基本を理解していないのでは」と見なされるリスクも否定できません。そのため、日常的に「こんにちは」と表記する習慣を身につけることが、こうした誤解を避けるためにも推奨されます。

「こんばんは」など、「こんにちは」以外のあいさつ表現の語源について

こんばんは

挨拶「こんばんは」は、夜間に誰かと出会った際に用いられる「今晩はいかがお過ごしですか?」や「今晩は冷えますね」といった表現の省略形から生まれました。

「こんにちは」と同様、「こんばんは」の最後の「は」も助詞です。したがって、「こんばんわ」という書き方は間違っています。

しかし、日常会話では「こんばんわ」が広く用いられているため、親しい関係ならこの表記を使っても大きな問題はありません。しかし、正式な場やビジネスの文脈では「こんばんは」という正確な形を使うことが推奨されます。

おはよう

挨拶「おはよう」は、朝の時間帯に相手をねぎらう言葉、「お早くから、ご苦労さまです」が短縮された形とされています。この挨拶は、朝早くの出来事や行動を称える際に「お早く」と簡略化されていったことが起源と考えられています。これに基づいて、この挨拶を漢字で書く場合は「お早う」となります。

さらに、別の起源として、歌舞伎から来ているという説も存在します。歌舞伎の座長が早朝に劇場に到着した際にかけられた「お早いお着きですね」の言葉が縮まり、「お早う」となったとされています。この表現は、朝の公演だけでなく、午後の公演においても使用されていたため、今日では時間に関わらず用いられる「おはようございます」という形が多くの業界で広まりました。

さようなら

挨拶「さようなら」は、接続詞「さようならば」から派生したものです。この古い形「さようならば」には、「そうであれば」や「それでは」という意味合いが込められていました。

「さようならば、また明日会いましょう」や「さようならば、お元気で」といった長い別れのフレーズが時間と共に短縮され、「さようなら」という形になったとされています。

今日においては、「さようなら」が終わりや悲しい別れを示す表現として受け取られがちですが、元々は「また会いましょう」という希望を含んだ言葉でした。

「こんにちは」と「こんにちわ」についてまとめ

挨拶の正確な形は「こんにちは」であり、「こんにちわ」は間違った表記とされています。

日本の公式な仮名遣い指針に従えば、「こんにちは」が現行の適正な表記法です。誤って「こんにちわ」と書いても意味が通じることは多いですが、正しい形にこだわる人もいるため、特にフォーマルな環境では正しい「こんにちは」を使うことが望ましいでしょう。

  • 公式な挨拶の正しい表記は「こんにちは」です。
  • この挨拶は「今日は○○○ですね」というフレーズの短縮版です。
  • 仕事の場面では「こんにちは」と言うのが望ましい。
  • 個人的な交流では「こんにちわ」を使っても問題ない場合もある。

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