「生む」と「産む」/「生まれる」と「産まれる」 違いと使い分け方をわかりやすく解説

「生む」「産む」の違いと使い分け

「生」と「産」、この2つの漢字はほぼ同じ意味を持っていますが、それぞれの言葉に微妙な違いが存在します。

「生む」と「産む」はどちらも母体が子供や卵を体外に排出する行為=母体視点を指しますが、「生む」は母体が子供や卵を体外に排出する行為全般を指す一方​「産む」は出産や分娩のその瞬間を特に強調する際に使用されます。

「生む」と「産む」は、時間の制限があるのか、ないかで使い方に違いがあります。

時間の制限の有無について考えてみましょう。一般的な親子関係をイメージしてみてください。母親が赤ちゃんを出産する行為は「生む」と言いますが、その後、その赤ちゃんが成長して大人になっても、親子関係が続く限り、その子を「生んだ」という事実は変わりません。

赤ちゃんが成長して大人になっても、親子関係の継続を指すのが「生む」です。

一方で、「産む」は出産や分娩の瞬間に焦点を当てた表現です。母親が赤ちゃんを母体の外に出す瞬間を指しますが、その後、大人になった子を表現する場合には「産む」は使用されません。

親子関係を表すために、母親が成人した自分の子供を「私が生んだ子」と表現できますが、「私が産んだ子」とは表現できません。

また、ある母親が3人の子供をもうけた場合、その事実を伝える際にも「3人の子供を生んだ」という表現が用いられます。なお、「生む」は子供や卵を体外に出すだけでなく、新たな事物を生み出す場合にも適用されますが、「産む」には新たな事物を生み出す意味は含まれませんので、注意が必要です。

「生まれる」「産まれる」の違いと使い分け

「うまれる」という同じ読み方をする「生まれる」と「産まれる」ですが、微妙な違いがあります。

「生む・産む」は母体の視点から見た言葉であり、一方「生まれですがる・産まれる」は子供や卵の視点からの言葉です。

母体と子供または卵という異なる視点から見た「生まれる」と「産まれる」は、同じ「生」と「産」の漢字を使用しますが、使い方には違いがあります。

「産まれる」は子供や卵が母体から出る瞬間を強調します。一方、「生まれる」は子供や卵が成長し、母親との親子関係を示す際に使用されます。また、「生まれる」は何か新しいものが生まれる場合にも、「生む」と同様に使われますが、「産まれる」にはこの意味は含まれません。

要するに、「生まれる」と「産まれる」は母体と子供または卵の視点からの異なる側面を表現し、新しい事象が発生する場合にも似た使い方がされます。

「生む」と「産む」/「生まれる」と「産まれる」の違いと使い分け方 まとめ

「生む」「生まれる」と「産む」「産まれる」の意味の違い

「生まれる」と「産まれる」の違いを簡単に説明すると、「生まれる」は出産以外の場面でも使えますが、「産まれる」は出産時にのみ使用されるという違いです。

「生む」「生まれる」と「産む」「産まれる」の使い方の違い

「生まれる」の使用例として、次のようなものがあります。「子犬が2匹生まれる」「あの男の子は私が生んだ子です」「問題が次々と生まれる」「これはごく最近生まれた制度です」「私は田舎で生まれ育ちました」などが挙げられます。

一方、「産まれる」の使用例として、以下のようなものがあります。「ついに待望の男の赤ちゃんが産まれた」「子猫が3匹産まれた」「病院に早く行って子供が産まれる瞬間に立ち会いました」「大阪の親戚にかわいい女の子の子が産まれた」などが挙げられます。

「生まれる」と「産まれる」の使い分け方

「生まれる」と「産まれる」は、どちらも子供が母親の胎内から出てくることや卵から孵化することを指す言葉ですが、使い方に微妙な違いが存在します。

最大の違いは、「生まれる」は出産以外の場面でも使用できる一方、「産まれる」は出産時にしか使われないことです。

例えば、子供が成長して小学生になった場合、「この子は私が生んだ子供です」と言えますが、「この子は私が産んだ子供です」とは言えません。そのため、「産まれる」は出産時やその前後に限られた状況で使われることを覚えておくべきです。

また、「生まれる」は新しい物事が生じる場合や特定の状況や感情が発生することも指すことがあり、これも違いの一つです。

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